取扱いが素材系だからなのか、意外とタイでビジネスをされている人もご存じないが、最近注目している企業。
INDORAMA VENTURES PUBLIC COMPANY LIMITED
(インドラマベンチャーズ)
タイの印僑系財閥の1つ。
1994年にMr. Aloke Lohiaが創業。
創業当初は羊毛材の販売から始めたが、現在は繊維(ポリエチレン)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、石油系の原材料が主なビジネスの柱。
特にPETについては生産量が世界一。
2018年売上10,741 Mil USD (1USD ≒100JPY換算で約1兆円)
2018年純利益 789 Mil USD (1USD ≒100JPY換算で約790億円)
SET (タイ証券取引所)上場。31カ国に約100の拠点を所有。
世界的に廃プラスチックの問題意識が日増しに強くなる中で、同社も事業を根本から変える必要性に迫られており、M&Aを使った新事業取り込みと既存事業の転換をすごいスピードで進めている。
2015年
Micro Polypet Pvt. Ltd. (インド)買収。
PET生産世界3位。インドでのシェアは12%。
2016年
スペイン石油大手。ペットボトルの透明度や加工性改善に使われる高純度イソフタル酸(PIA)の年産能力が世界2位。
2017年
Artlant PTA (ポルトガル) 買収。
PETの原料である高純度テレフタル酸(PTA)を生産する企業で、英BPのPTA工場に次ぎ欧州で2番目に大きい企業。
2018年
不織布メーカー。
PET生産メーカー。
ヨーロッパの大手リサイクル企業でPET再生等を手掛ける
高純度テレフタル酸(PTA), PETの一貫生産工場としては北米最大。
UTT Technical Textiles GmbH & Co. KG (ドイツ) (
www.utt.de)
エアバッグ用の繊維等を生産。
2019年
M&G Polimeros Brasil 買収。
ブラジル最大のPET生産企業。
PET生産。
自動車や家具、アパレル製品向けなどにポリエステルチップや合成繊維を提供。
Huntsmanは米化学品大手。
買収金額約21億ドル(約2200億円)はタイ企業のM&A(合併・買収)としては過去10年で最大規模。
企業買収の動向
視点としては、
1. PETの寡占
2. 繊維・プラスチックマーケットにおける多角化
3.再生等の後工程あたりが中心
事業買収の大半をオランダ子会社インドラマ・ネザーランドを通じてやっているのは、オーストラリアが何かしら資産管理や税制の面から有利な事があるからだろうか?しかしすごい数だ。
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